新月さまの伝説
マロ島の言伝え
昔 ちっぽけな島 マロでは
やることが ありませんでした。
まいつき 男たちは 川が海にそそぐ ナンガライに集まり、
料理をつくり 語り合い、 新月さまが 来るのを待ちました。
しずかに 新月さまを 待ちました。
お月さまは 空から
ゆっくりと
下へ
下へ
降りて ナンガライの海に入っていきます。
新月さまが 体を洗いに来ました。
新月さまは みんなに近づき ナンガライとみんなに
ほほ笑みかけました。
新月さまは 去って行きます。
しずかに ゆっくりと
上へ 上へ 上へ
空たかく 上っていきました。
マロ島に 一人の 悪い男が 住んでいました。
かれは 友達に じまんげに言いました。
「いつかきっと 新月さまを つかまえてやる」
「だめだ!」みんが 声をそろえてさけびました。
「そんなことをするな! ぜったい つかまえられないぞ」
ある時 一ヶ月間 男たちはみな ナンガライへ出かけ、
料理に使うヤムいもとタロいもを 集め、
焚き木を ひろってきました。
みんなで 笑い そして歌いました。
みんな?
いや みんなではない 悪い男がいない!
こっそり 悪い男が どこかに 隠れました。
こっそり 悪い男が 新月さまをまちぶせしています。
男は 月がゆっくりと
下へ 下へ降りて 水のなかへ
入るまで待ちました。
男は跳びだし
汚れた手で 新月さまをつかみました。
新月さまは すばやく
男の汚れた手から するっと ぬけだし
急いで 空高く帰っていきました。
悪い男は 新月さまをとらえることは できませんでした。
しかし お月さまには かれの汚れた二つの手のあとが
見えます。新月さまは 二度と 体を洗いに 海に降りて来て
ナンガライと男たちに 明るくほほ笑みかけたり しなくなりました。
やることが ありませんでした。
まいつき 男たちは 川が海にそそぐ ナンガライに集まり、
料理をつくり 語り合い、 新月さまが 来るのを待ちました。
しずかに 新月さまを 待ちました。
お月さまは 空から
ゆっくりと
下へ
下へ
降りて ナンガライの海に入っていきます。
新月さまが 体を洗いに来ました。
新月さまは みんなに近づき ナンガライとみんなに
ほほ笑みかけました。
新月さまは 去って行きます。
しずかに ゆっくりと
上へ 上へ 上へ
空たかく 上っていきました。
マロ島に 一人の 悪い男が 住んでいました。
かれは 友達に じまんげに言いました。
「いつかきっと 新月さまを つかまえてやる」
「だめだ!」みんが 声をそろえてさけびました。
「そんなことをするな! ぜったい つかまえられないぞ」
ある時 一ヶ月間 男たちはみな ナンガライへ出かけ、
料理に使うヤムいもとタロいもを 集め、
焚き木を ひろってきました。
みんなで 笑い そして歌いました。
みんな?
いや みんなではない 悪い男がいない!
こっそり 悪い男が どこかに 隠れました。
こっそり 悪い男が 新月さまをまちぶせしています。
男は 月がゆっくりと
下へ 下へ降りて 水のなかへ
入るまで待ちました。
男は跳びだし
汚れた手で 新月さまをつかみました。
新月さまは すばやく
男の汚れた手から するっと ぬけだし
急いで 空高く帰っていきました。
悪い男は 新月さまをとらえることは できませんでした。
しかし お月さまには かれの汚れた二つの手のあとが
見えます。新月さまは 二度と 体を洗いに 海に降りて来て
ナンガライと男たちに 明るくほほ笑みかけたり しなくなりました。
All illustrations and stories are © Pauline Grindley and the Vanuatu Cultural Centre 2014.
Any unauthorised copying, editing or exhibition is strictly forbidden. |